「父親が薄毛だから、自分も将来そうなるのでは?」
こうした不安を抱く人は少なくありません。
実際、薄毛は遺伝するのでしょうか?
答えは「遺伝は大きな要因だが、すべてではない」です。
今回は、科学的な根拠と最新研究、そして私自身の考えを交えて詳しく解説します。

薄毛の主因:AGAと遺伝の関係
薄毛の多くは AGA(男性型脱毛症) によるものです。
AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが DHT(ジヒドロテストステロン) に変換され、毛根に作用することで進行します。
この過程に深く関わるのが アンドロゲンレセプター遺伝子(AR遺伝子) です。
- 母方の祖父が薄毛の場合、約75%の確率で遺伝するとされます。
- 両親から遺伝要因を受け継ぐと、その確率は約90%に達するという報告もあります。
つまり、遺伝的な要素は非常に強い。
しかし、ここで重要なのは「遺伝だけでは決まらない」という点です。

遺伝だけではない理由:双子研究が示す事実
一卵性双生児を対象にした研究では、同じ遺伝子を持つ双子でも毛量に差が出ることが確認されています。
これは、生活習慣や環境要因が薄毛進行に大きく影響することを示しています。
さらに、国際的な大規模研究では、薄毛の進行における遺伝の寄与は約13%、残り87%は生活習慣やストレスなど環境要因と報告されています。
この数字は衝撃的です。
「遺伝だから仕方ない」という諦めは、科学的には正しくありません。

薄毛に影響する生活習慣と環境要因
- 睡眠不足:成長ホルモンの分泌低下で毛髪の再生が遅れる。
- ストレス:血流悪化やホルモンバランスの乱れを引き起こす。
- 栄養不足:タンパク質や亜鉛不足は毛髪の材料不足に直結。
- 喫煙・過度な飲酒:血管収縮や酸化ストレスで毛根に悪影響。
- デジタル薄毛:長時間のPC作業やブルーライトによる血流悪化も近年注目されています。
なぜ「遺伝だけではない」が重要なのか?
私は、このテーマで最も強調したいのは「コントロールできる部分がある」という事実です。
遺伝は変えられません。
しかし、生活習慣は変えられます。
例えば、睡眠の質を高める、バランスの取れた食事を心がける、ストレスを減らす工夫をする
――こうした積み重ねが、薄毛の進行を遅らせる可能性を高めます。
さらに、近年はAGA治療薬(フィナステリドやデュタステリド)、外用薬(ミノキシジル)、さらには再生医療まで選択肢が広がっています。
「遺伝だから諦める」ではなく、「できることをやる」という姿勢が、未来の毛髪を守る鍵になるでしょう。
まとめ
薄毛は確かに遺伝と関係があります。
しかし、それがすべてではありません。
最新研究は、生活習慣や環境要因の影響が非常に大きいことを示しています。
「遺伝だから仕方ない」と諦める前に、できることを一つずつ取り入れてみませんか?
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