2025年9月29日、ついに国内の金価格が1グラムあたり2万18円を記録し、史上初の「2万円台」に突入しました。
これは、2023年8月末に1万円台に乗ったばかりという事実を考えると、わずか2年で2倍という驚異的な上昇です。
[金の国内店頭小売価格…年で2倍 田中貴金属]
このニュースは投資家だけでなく、一般消費者や企業にも大きなインパクトを与えています。
では、なぜここまで金価格が高騰したのでしょうか?
そして、プラチナはどう動いているのでしょうか?

📈金価格高騰の背景:地政学リスクと円安のダブルパンチ
今回の金価格上昇には、以下の要因が複合的に絡んでいます。
- 地政学リスク:ウクライナ情勢や台湾海峡の緊張など、世界的な不安定要素が「安全資産」としての金への需要を押し上げています。
- 円安:ドル円相場が148円台を推移する中、円建ての金価格はさらに上昇。
- 米国の利下げ観測:金利が下がると、利息を生まない金の相対的な魅力が増します。
- 中央銀行の金準備増加:中国やインドなどが金の備蓄を増やしており、需給バランスが逼迫。

💡私見:金価格は「実需+心理」で動く
個人的には、金価格の高騰は「実需」だけでなく「心理的要因」が大きいと感じています。
「有事の金」と言われるように、世界が不安定になると人々は“安心”を買いたくなる。
金はその象徴です。
特に日本では、円安が進むと「円の価値が下がる=金の価値が上がる」という感覚が強く、金への投資が加速しやすい。
🔧プラチナはどう動いている?金との違いと今後の展望
一方、プラチナも上昇基調にあります。
2025年9月時点で1グラムあたり7,393円を記録し、8月平均から約14%の上昇。
プラチナ価格上昇の要因:
- 供給不足:南アフリカの洪水や操業停止で供給が減少。
- 中国の宝飾品需要:金の高騰を受けて、割安なプラチナに注目が集まる。
- 水素エネルギー関連の需要:燃料電池車など、脱炭素社会に向けた技術でプラチナの使用が増加。
金との違い:
- 金は「守りの資産」、プラチナは「産業と成長の資産」。
- 金は景気後退時に強く、プラチナは景気回復時に強い傾向。
🧠私見:プラチナは“次の主役”になるか?
金が高騰しすぎた今、個人的にはプラチナの割安感に注目しています。
金とプラチナの価格差は歴史的に見ても広がっており、投資家の間では「次はプラチナが来る」との声も。
特に水素社会の到来が現実味を帯びてきた今、プラチナの産業需要は今後さらに拡大する可能性があります。
短期的にはボラティリティが高いですが、中長期では“成長資産”としての魅力があると感じています。
📝まとめ:金は守り、プラチナは攻め。分散投資が鍵
2025年の金・プラチナ市場は、まさに「歴史的な転換点」にあります。
- 金はインフレや通貨不安に備える“守りの資産”
- プラチナは産業成長と割安感に支えられた“攻めの資産”
どちらか一方に偏るのではなく、両者をバランスよく保有することが、これからの不安定な時代における賢い資産防衛策ではないでしょうか。
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