🖥️【ワープロ記念日】日本語を打てるってすごいことだった|昭和のIT革命と今をつなぐ言葉の物語
9月26日は「ワープロ記念日」。
ちなみに「ワープロ」という言葉の由来は、英語の 「word processor(ワードプロセッサー)」 を略したものです。
これは日本独自の略称で、英語圏では「ワープロ」という言い方はされません。
1978年9月26日、東芝が世界初の日本語ワープロ「JW-10」を発表した日です。
今ではスマホで簡単に文字が打てる時代ですが、当時は「日本語を機械で打てる」こと自体が革命でした。
この記念日は、単なる技術の節目ではなく、日本語という複雑な言語をデジタルで扱えるようになった歴史的瞬間を象徴しています。
今回は、ワープロの誕生とその影響、そして現代の言葉との関係を深く掘り下げてみましょう。

🕰️ ワープロの誕生:日本語入力の壁を越えた瞬間
1970年代、日本語をコンピューターで扱うのは非常に困難でした。
英語と違って、ひらがな・カタカナ・漢字が混在する日本語は、文字数も多く、変換処理も複雑。
当時のタイプライターは英語専用で、日本語文書は手書きが主流。
ビジネス文書や報告書の作成には時間と労力がかかっていました。
そんな中、東芝が開発した「JW-10」は、かな漢字変換を実現。
- 変換辞書を搭載し、ひらがな入力から漢字への変換が可能に。
- 画面表示と印刷機能を備え、文書作成の効率が飛躍的に向上。
この技術は、日本語を“打てる言語”に変えたと言っても過言ではありません。
🧠 ワープロが変えたもの
1. 仕事のスピードと正確性
- 書き直しが簡単になり、誤字脱字の修正もスムーズに。
- 企業の文書作成や報告書の質が向上し、業務効率が劇的に改善。
2. 言葉の使い方と語彙の変化
- 変換候補が表示されることで、語彙が広がった。
- 一方で、誤変換による“意味のズレ”や“誤用”も増加。
- 「変換できる言葉=使いやすい言葉」になり、言語の選択に影響を与えるように。
3. 教育現場への影響
- 作文やレポートが手書きからデジタルへ。
- 漢字を「書ける」より「読める・打てる」ことが重視されるように。
- ワープロ検定などの資格も登場し、スキルとしての「日本語入力」が定着。
📱 今の時代との違い
今ではスマホやPCで誰でも簡単に日本語を入力できます。
音声入力、予測変換、AIによる文章補完など、技術はさらに進化。
しかし、ワープロがなければ、こうした技術の土台は築かれていなかったでしょう。

現代の課題
- 変換に頼りすぎて「漢字が書けない」問題
- 自動補完による「思考の省略」
- SNSでの短文文化による「言葉の簡略化」
ワープロが言葉を広げた一方で、現代の技術は言葉を“縮めている”のかもしれません。
💡 ワープロ記念日に考えたいこと
- 「言葉を打つ」ことの意味
- テクノロジーが言語文化に与える影響
- 手書きとデジタルのバランス
- 便利さの裏にある“思考の質”の変化
📝 まとめ:ワープロは“言葉の革命”だった
ワープロは単なる機械ではなく、日本語を扱う力を人々に与えた道具でした。
それは、言葉を「書く」から「打つ」へと変え、思考のスピードと表現の幅を広げました。
9月26日、ワープロ記念日には、そんな言葉と技術の歴史に思いを馳せてみませんか?
そして、今の私たちが使っている「言葉」は、どこまで自分のものなのか――
そんな問いを立てるきっかけになるかもしれません。
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