【10月16日は何の日?】世界食料デー!――World Food Day

世界食料デーに寄せて──飢餓のない未来を描くために

毎年10月16日は「世界食料デー(World Food Day)」。

この日は、1945年に国連食糧農業機関(FAO)が設立されたことを記念して、1981年に制定された国際デーです。
今年で44年目になります。

目的は、世界の飢餓や栄養不良、食料安全保障の問題に対する理解を深め、持続可能な食料システムの構築に向けた行動を促すこと。
現在では、150以上の国と地域で関連イベントが開催され、世界的なムーブメントとして広がりを見せています!!

【10月16日は何の日?】世界食料デー!――World Food Day

飢餓の現状──数字の裏にある現実

FAOの報告によれば、世界では約8億人以上が慢性的な飢餓状態にあるとされています。

これは、世界人口の約10人に1人が、日々十分な食事を得られていないことを意味します。
さらに、栄養不良による発育障害や免疫力の低下は、子どもたちの命を脅かす深刻な問題です。

一方で、先進国では食品ロスが深刻化しています。

日本でも、年間約500万トン以上の食品が廃棄されており、その多くがまだ食べられる状態で捨てられているという現実があります。
飢餓と食品ロス──この矛盾した構造は、私たちの食のあり方を根本から問い直す必要があることを示しています。

One Future Zero Hunger

世界食料デーのテーマとメッセージ

世界食料デーでは毎年異なるテーマが掲げられます。

近年では「持続可能な食料システム」「気候変動と農業」「食料への権利」などが取り上げられ、食料問題が環境、経済、人権と密接に関わっていることが強調されています。

2025年のテーマは「Water is life, water is food. Leave no one behind(水は命、水は食料。誰一人取り残さない)」

気候変動による水資源の枯渇や農業への影響を背景に、水と食料の関係性に焦点が当てられています。
水不足は農業生産を直撃し、食料価格の高騰や供給不安を引き起こす要因となります。

日本での取り組み──「世界食料デー月間」

日本では、10月を「世界食料デー月間」として、NGO・NPO・国連機関・自治体などが連携し、啓発活動を展開しています。

フードドライブ(家庭で余った食品の寄付)や食育イベント、学校での特別授業など、地域に根ざした取り組みが広がっています。

また、JAグループは「国消国産の日」(毎月16日)を世界食料デーに合わせて提唱し、国産農産物の消費促進と食料自給率向上を呼びかけています。
これは、国内の農業を支えることで、持続可能な食料供給体制を築こうという動きでもあります。

🏘 地域の事例紹介:日本各地の「世界食料デー」月間の取り組み

① 東京都・東小金井駅「ハロウィン・フードステーション」

JR中央線・東小金井駅では、地域住民や学生が参加する「ハロウィン・フードステーション」が開催されました。
仮装を楽しみながら、家庭で余った食品を持ち寄るフードドライブを実施。集まった食品は地域の福祉団体を通じて必要な家庭へ届けられました。

目的: 食品ロス削減と地域の助け合いを楽しく体験
特徴: 若者や親子連れの参加が多く、食育のきっかけにも

② 高知県・こうち生活協同組合「こども食堂支援」

こうち生協では、「健康とこどもたちのみらいのために」をモットーに、地域のこども食堂への食材提供を継続しています。
世界食料デー月間には、組合員からの寄付を募り、地元産の野菜や米を中心に支援を強化。

目的: 地域の子どもたちの栄養支援と地産地消の推進
特徴: 生産者と消費者がつながる仕組みを構築

③ 長野県・コープながの「エシカル消費キャンペーン」

コープながのでは、世界食料デー月間に合わせて「エシカル消費(倫理的な消費)」をテーマにしたキャンペーンを展開。
フェアトレード商品や規格外野菜の販売を通じて、消費者が食料問題に関心を持つきっかけを提供しています。

目的: 消費行動を通じて世界の食料問題に貢献
特徴: 店頭でのパネル展示やクイズ形式の啓発活動が好評

④ NPO法人APLA「ぽこぽこバナナプロジェクト」

このプロジェクトでは、フィリピン産の規格外バランゴンバナナを活用し、フードロス削減と民衆交易の理解促進を目指しています。
世界食料デー月間には、絵本『バナナのらんとごん』を使ったワークショップを開催し、子どもたちに食の背景を伝えました。

目的: 食料の生産者と消費者の距離を縮める
特徴: 教育と実践を組み合わせたユニークなアプローチ


私たちにできること──食を見直す小さな一歩

世界食料デーは、単なる啓発の日ではありません。

私たち一人ひとりが「食べる」という行為を通じて、社会とつながっていることを再認識する日でもあります。

  • 食品ロスを減らすために、買いすぎや作りすぎを見直す
  • 地元産の食材を選び、地域の農業を応援する
  • フードバンクや寄付活動に参加する
  • 子どもたちに食の大切さを伝える

こうした小さな行動が、やがて大きな変化につながります。
食料問題は遠い国の話ではなく、私たちの暮らしのすぐそばにある課題なのです。

最後に──「食べること」は生きること

「食べること」は、生きることそのもの。

そしてそれは、誰もが平等に享受すべき基本的な権利です。

世界食料デーをきっかけに、食のあり方を見直し、飢餓のない未来に向けて一歩を踏み出すこと。
それが、私たちにできる最も身近な国際貢献かもしれません。

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