今日、11月27日は「即席カレーの日」。
この記念日は、戦後の日本の食卓を大きく変えた一つの出来事を思い起こさせます。
1945年11月27日、愛知県稲沢市の株式会社オリエンタルが「即席カレー」を発売したことが、その始まりでした。
今年で80年になります。
今では国民食と呼ばれるカレーライスですが、当時はまだ特別な料理であり、家庭で作るには手間も知識も必要でした。
そんな状況を一変させたのが、即席カレーの誕生だったのです。

戦前から戦後へ――カレーの敷居の高さ
カレーは明治時代にイギリス経由で日本へ伝わり、軍隊食や学校給食を通じて広まりました。
しかし戦前の家庭でカレーを作るには、小麦粉を炒めてルウを作り、カレー粉を加え、さらにスープや具材を調整する必要がありました。
料理に慣れた人でなければ難しく、一般家庭にとっては「特別な日のご馳走」だったのです。
終戦直後の混乱期、人々は簡単で栄養のある食事を求めていました。
そんな時代に「家庭で誰でも作れるカレー」を目指したのが、オリエンタルの創業者・星野益一郎氏でした。
星野氏は炒めた小麦粉と調味料をあらかじめ混ぜ、粉末状にした「即席カレー」を開発。
これにより、家庭でも鍋に具材と水を入れ、即席カレー粉を加えるだけで本格的なカレーが楽しめるようになったのです。
即席カレーの誕生と普及
1945年11月27日に発売された「オリエンタル即席カレー」は、5皿分で35円。
当時の物価を考えると決して安くはありませんでしたが、調理の手軽さと味の良さから瞬く間に人気を集めました。
オリエンタルは宣伝カーを走らせ、全国各地で試食イベントを行い、カレー文化を広めていきました。
これが「即席カレーの日」の由来となり、今も記念日として残っているのです。
固形ルウの登場と家庭料理への定着
即席カレーの成功を受け、1954年にはエスビー食品が「固形カレールウ」を発売しました。
粉末よりも扱いやすく、保存性も高い固形タイプはさらに家庭に浸透。
1963年にはハウス食品が「バーモントカレー」を発売し、りんごとハチミツを使った甘口カレーが子どもたちに大人気となりました。
これにより、カレーは「家族みんなで楽しめる料理」として完全に定着したのです。
レトルトカレーの登場と多様化
1970年代に入ると、温めるだけで食べられる「レトルトカレー」が登場。
保存性と利便性に優れ、忙しい家庭や単身者に支持されました。
以降、即席カレーは粉末、固形、レトルトと形を変えながら進化を続け、現代ではスパイスカレーや健康志向の商品、さらには高級レトルトカレーまで多様化しています。

即席カレーがもたらした文化的意義
即席カレーの誕生は、単なる食品の開発にとどまらず、日本の食文化そのものを変えました。
- 家庭料理の革命:調理の手間を大幅に削減し、カレーを日常食に変えた。
- 国民食の定着:インドやイギリス由来の料理が、日本独自の進化を遂げて国民食となった。
- 企業の挑戦:宣伝カーや試食イベントなど、ユニークな販売戦略で全国に広めた。
カレーは「母の味」「給食の味」「キャンプの味」として人々の記憶に刻まれ、世代を超えて愛され続けています。
現代の即席カレーと未来
近年はスパイスブームや健康志向の高まりから、グルテンフリーや減塩タイプ、さらには本格的なスパイスを使った即席カレーも登場しています。
即席カレーは「便利さ」と「多様性」を兼ね備え、今後も進化を続けるでしょう。
家庭の食卓だけでなく、アウトドアや非常食としても欠かせない存在となっています。
まとめ――即席カレーの日に思うこと
即席カレーの日は、家庭でカレーを楽しむ文化が始まった記念日です。
戦後の食卓を支え、今や国民食となったカレーの歴史を振り返ることで、日常の一皿に込められた文化的価値を再発見できます。

今日の食卓でカレーを囲みながら、その歴史に思いを馳せるのも素敵ではないでしょうか。
興味のある方はこちらもどうぞ




コメント